2014年9月5日金曜日

幽霊会議④

雨雲がどんどん近づいてくると、それは雨雲ではなく白い雲の中に黒装束を纏った女の人達が埋もれているのだった。

久美子とお姉さんの前にやってくると、女の人達は、雲からふわっと離れた。

「あんた。マジでウザいんだけど」

黒装束軍団の、総長がお姉さんに掴み掛からんばかりに近づいた。

久美子は、驚いた。

あんな色の装束…どこで売ってるの!?私が、ハンズに買いに行った時には売ってなかったよ!かっこいい…。あんな、黒装束で脅かされたらどんな人間だってイチコロね…。

「あんたこそ、いつも私のじゃまをして何なのさ?」

お姉さんも負けていない。黒装束女の肩を乱暴に突いた。

「何すんだよ!このやろう!」

黒装束女が金切り声をあげ、チーターのように牙をむき出したのを合図に
周りの黒装束軍団がお姉さんを囲み、殴りかかった。

「なんでよっ!なんでっおにぎり作っちゃいけないのよっ!」
お姉さんは、泣きながら黒装束軍団に掴み掛かる。
空は、大変な騒ぎになってしまった。

久美子は携帯電話を取り出した。

この場を収めてくれる人を呼ばなくちゃ…誰…誰を呼べばいいの…

携帯電話の連絡先を震える指で触る。

そして、『神さま』の電話番号で指が止まる。

神さま!に電話していいのかな!

携帯電話を登録した時に、デフォルトで神様の連絡先が登録されている。
しかし、友達ではないのでこちらから連絡することはない。
よほどのことがない限り…

「今がよほどのことよ!えい!」

久美子は思い切って神さまに電話をかけた。